「子どもの習い事、いつまで送迎すべきか」と悩んでいませんか?年齢や性格、家庭の事情によって答えが異なるからこそ、多くの保護者が迷いを抱えてしまうのは当然のことです。
私自身、子どもがまだ小さい頃は送迎もそれほど苦にはなりませんでしたが、現在は高学年・低学年・保育園児と、それぞれ生活リズムが異なり、送迎が大きなストレスになりつつあります。現在は習い事の見直しを進めている真っ最中です。
本記事では、習い事の送迎を続ける目安や判断基準、親のリアルな声、負担を軽くする工夫、そして“卒送迎”の準備まで、実用的に解説していきます。
習い事の送迎はいつまで続けるべき?年齢別の目安と判断基準
習い事の送迎を「いつまで」続けるべきかは、子どもの年齢や環境によってさまざまです。ここでは、年齢や学年別の送迎の傾向や判断ポイントを解説しながら、親の不安や疑問を整理していきます。
未就学児~小学校低学年(1〜2年生):基本は送迎が必要
未就学児~小学校低学年の間は、まだ社会的な判断力や危険予知能力が十分に育っていないため、ほとんどの家庭で送迎を行っています。特に、通う道に車通りが多かったり、暗くなる時間帯にかかる習い事であれば、なおさら送迎は必須です。加えて、子どもが通う習い事が初めての場合は、慣れるまで付き添うことで安心感を与えることができます。
保護者の間でも、「小1〜2までは絶対に送迎」という声が多く、これは防犯や安全意識の高まりが背景にあると言えるでしょう。低学年はまだ親との関係が密な時期でもあるため、送迎の時間を親子のコミュニケーションに活かすケースも増えています。
小学校中学年(3〜4年生):一人で通い始める子も
小学校中学年になると、徐々に自立心が芽生え、友だちと行動する機会も増えてきます。そのため、この時期を境に「一人で通わせ始めた」という家庭が増えてきます。ただし、すべての子が一律に対応できるわけではありません。
通学路や習い事までの距離、交通量、地域の治安、時間帯など、さまざまな条件を総合的に判断する必要があります。また、子どもの性格や判断力も大きな要素です。「慣れた道なら大丈夫」「まだ心配だから付き添う」といった家庭ごとの違いが表れるのもこの時期です。
小学校高学年(5〜6年生):“卒送迎”のタイミング
高学年になると、ほとんどの子どもが自力で習い事に通えるようになります。実際、アンケートでも「小5・6から送迎をやめた」という意見が多数を占めています。この頃になると、友達と一緒に通う機会が増え、自転車や公共交通機関を使いこなす子も出てきます。
ただし、夜遅い時間帯や長距離の移動が必要な場合は、引き続き送迎が必要なこともあります。保護者の中には、「夜間だけは送り迎えを続けている」という声も。防犯ブザーを持たせたり、GPS機能付きの携帯電話を持たせるなど、安全対策を講じた上で、徐々に自立を促していくのが望ましいでしょう。送迎の完全卒業かどうかは、子どもと家庭の状況次第と言えるでしょう。
中学生以降:自立が基本、ただし夜間は送迎など例外も
中学生になると、学校生活も忙しくなり、習い事の通い方もより自立的になります。塾や部活の影響で帰宅が遅くなることも多く、移動の時間に公共交通機関を使うケースが増えます。一方で、夜間の治安を気にして「塾帰りだけは迎えに行く」という家庭も少なくありません。
また、女の子や心配性な子の場合、親が送迎を継続するケースもあります。中学生といえど、完全に自立させるにはまだ不安が残る場合もあるため、親子で話し合いながら対応していくことが重要です。
「もう限界…」習い事の送迎に悩む親の本音とは?
習い事の送迎は、お子さんの成長をサポートする大切な役割ですが、その一方で、保護者にとっては大きな負担となることも少なくありません。毎週、複数回の送迎。時間や労力の負担が重なると、親の疲労も蓄積されていきます。ここでは、送迎にまつわる親の本音と、それが生み出す様々な悩みについて深掘りします。
時間的拘束によるストレス
習い事の送迎は、親の自由な時間を大きく奪います。送迎先までの移動時間に加え、習い事が終わるまでの待ち時間も発生する場合もあり、親にとっては拘束時間が非常に長く感じられます。
特に、複数の習い事を掛け持ちしている場合や、兄弟姉妹で異なる習い事をしている場合は、送迎のスケジュール調整が非常に複雑になります。仕事や家事、他の子どもの世話との両立に追われ、自分の時間がほとんど持てなくなり、精神的な疲労が蓄積していくことは珍しくありません。週末や夕方の貴重な時間が送迎で埋まってしまうことに、ストレスを感じる保護者も多いのが実情です。
金銭的負担と労力
送迎には、ガソリン代や交通費といった直接的な金銭的負担も発生します。さらに、車を運転する労力、公共交通機関を利用する際の乗り換えの面倒さなど、目に見えない負担も大きいものです。雨の日や寒い日、暑い日など、天候も気にしながら送迎をこなすことは、体力的な負担にもつながります。これらの金銭的、体力的な負担が積み重なることで、習い事を続けさせること自体に疑問を感じ始める保護者もいるでしょう。
子どもの自立とのジレンマ
「いつまでも送迎していては、子どもが自立しないのではないか」というジレンマを抱える保護者も少なくありません。子どもの安全を最優先したい気持ちと、子どもの成長を促したい気持ちの間で揺れ動くことがあります。周りの子が一人で通い始めているのを見ると、焦りを感じることもあるでしょう。過保護になりすぎず、かつ危険に晒さないようにするにはどうすれば良いのか、そのバランスを見つけることに悩む親は多いのです。
習い事の送迎はいつまでが安心?一人で通わせる判断基準
お子さんを一人で習い事に通わせるという選択は、親にとっては大きな決断です。安全を確保しつつ、子どもの自立を促すためには、いくつかの判断基準を設けることが重要です。
習い事までの距離と交通状況
まず考慮すべきは、習い事までの距離と交通状況です。自宅から習い事の場所までが近く、人通りの多い安全な道であれば、比較的早い段階から一人で通わせることを検討できます。しかし、交通量の多い大通りを横断する必要がある、あるいは薄暗い道や人通りの少ない場所を通る必要がある場合は、もう少し送迎を続けるべきでしょう。実際に子どもと一緒に道を歩いてみて、危険な箇所がないか、信号の渡り方や横断歩道の確認がしっかりできるかなどを確認することが大切です。
子どもの性格と判断能力
お子さんの性格や判断能力も重要な要素です。指示されたことをきちんと守れるか、困った時に助けを求められるか、誘惑に負けずにまっすぐ習い事に行けるかなど、子どもの特性を見極める必要があります。例えば、忘れ物が多い子や、寄り道をしてしまう傾向のある子、集中力が続きにくい子などは、一人で通わせるにはまだ早いかもしれません。反対に、責任感が強く、自分の行動に自信を持っている子であれば、比較的安心して任せられるでしょう。
緊急時の対応能力
万が一、緊急事態が発生した際に、お子さん自身が適切に対応できるかどうかも、一人で通わせる上で確認しておくべき点です。例えば、道に迷ってしまった時、不審者に遭遇した時、体調が悪くなった時などに、誰に助けを求めるべきか、どこへ連絡すべきかを理解している必要があります。親の連絡先を暗記しているか、緊急時の連絡方法(携帯電話の使用方法など)を知っているか、最寄りの交番やコンビニの場所を把握しているかなど、具体的な状況を想定して確認しておくと安心です。
送迎の負担を減らすための方法
習い事の送迎負担は、工夫次第で大きく軽減できます。一人で通わせるのがまだ不安な場合でも、親の負担を減らしながらお子さんの成長をサポートする方法はたくさんあります。
送迎サービスの利用を検討する
習い事によっては、送迎サービスを提供している場合があります。バスでの送迎や、指定の場所までの送迎サービスなど、その内容は様々です。また、民間の送迎サービスやベビーシッターを利用することも選択肢の一つです。費用はかかりますが、親の負担を大幅に軽減できるため、検討する価値は十分にあります。特に、複数の習い事を掛け持ちしている場合や、親の仕事の都合で送迎が難しい場合には、非常に有効な手段となるでしょう。事前にサービス内容や料金体系をよく確認し、信頼できる事業者を選ぶことが重要です。


親同士で協力し合う
同じ習い事に通うお子さんの保護者同士で協力し合うのも、送迎負担を減らす有効な方法です。例えば、当番制で送迎を行う「送迎の乗り合い」や、習い事の前後で子どもを預け合う「託児」のような形で協力できます。これにより、毎日送迎に行く必要がなくなり、親の負担を分散させることができます。連絡先を交換したり、グループラインを作成したりして、事前にしっかりと連携を取ることが成功の鍵です。普段から他の保護者と積極的にコミュニケーションを取っておくと、いざという時に頼りやすくなるでしょう。
自宅でできる習い事を検討する
もし送迎の負担がどうしても大きいと感じるなら、自宅でできる習い事を検討するのも一つの手です。オンラインでの習い事や、自宅に先生が来てくれるタイプの習い事であれば、送迎の必要がなくなります。プログラミングや英会話、オンライン学習塾など、選択肢も豊富になってきています。また、YouTubeなどの動画コンテンツを利用して、自宅でダンスや運動の練習をするのも良いでしょう。送迎の時間がなくなり、その分、親子で過ごす時間や、親自身の自由な時間を増やすことができます。

習い事の数を減らす・曜日を変更する
現在の習い事の数が多いと感じる場合は、習い事の数を減らすことを検討してみましょう。本当に子どもがやりたいこと、続けたいことを絞り込むことで、送迎の回数を減らすことができます。また、習い事の曜日や時間を変更することで、他の用事との兼ね合いが良くなり、送迎の負担が軽減されることもあります。例えば、週末に集中させて平日の送迎をなくす、または複数の習い事を同じ曜日にまとめてしまうといった工夫も有効です。子どもとよく話し合い、無理のない範囲で調整することが大切です。
習い事の送迎「卒業」までにしておきたい準備
習い事の送迎からの「卒業」は、お子さんの自立への大きな一歩です。安心して一人で通えるようになるために、事前にしっかりと準備をしておくことが大切です。
一人通いの練習を重ねる
お子さんが一人で習い事に通うようになる前に、交通ルールと防犯意識を徹底的に教え込むことが最も重要です。まずは一緒に歩いて信号の渡り方、横断歩道の利用方法、左右の確認、死角への注意など、具体的な交通ルールを何度も繰り返し教えましょう。その後、途中まで付き添うなどして、徐々に一人通いに慣れさせましょう。「見守り→途中まで→完全一人」と段階を踏むことで、子どもにも安心感が生まれます。危険なポイントは事前にしっかり教えておくのも重要です。
防犯・見守りアイテムの導入
万が一に備え、お子さんとの連絡手段を確保し、緊急連絡先を共有しておく必要があります。スマホやGPS端末、防犯ブザーなどを持たせておくと、万が一の際にも安心です。また、LINEや位置情報共有アプリを使って、「到着したら連絡する」といった習慣づけをしておくと、親も子もストレスなく過ごせます。

習い事先との連携も忘れずに
送迎をやめることを習い事の先生に伝えておくと、万が一の際に連絡しやすくなります。「いつから一人で来る予定です」「遅れた場合は連絡します」といった情報共有を事前に行っておくことで、安心して送り出せます。
まとめ
習い事の送迎を「いつまで続けるか」は、子どもの年齢、環境、性格、そして親のライフスタイルによって異なります。「みんなこうしてる」ではなく、自分たち家族にとって最適な形を探ることが大切です。
高学年や中学生になると送迎を卒業する家庭が増えてきますが、無理にやめる必要はありません。子どもが安全に通えるかどうかを見極め、段階的に慣れさせていきましょう。また、送迎が負担になっている場合は、家族や地域のサポート、サービスの活用などを上手に取り入れてみてください。
習い事は子どもの未来の可能性を広げる大切な活動です。親の負担とバランスをとりながら、安心して見守っていける方法を見つけていきましょう。