在宅でフリーランスとして働いていると、「家賃や光熱費も経費にできる」と聞きますよね。でも、「どうやって計算するの?」「割合はどう決めればいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
私もフリーランスになりたての頃は、家事按分の仕組みが全く分からず、適当に決めていいのか不安でした。でも、やってみると意外とシンプル。合理的な根拠さえあれば、誰でも計算できるんです。
この記事では、家事按分の割合の決め方から、具体的な計算方法、やよいの青色申告での入力方法まで、実例を交えながら分かりやすく解説します。
家事按分とは?在宅フリーランスが知っておくべき基本
家事按分の意味
家事按分とは、プライベートと仕事が混在する支出を、使用割合で分けて経費計上することです。
在宅でフリーランスをしていると、自宅がそのまま仕事場になりますよね。つまり、家賃や光熱費の一部は「事業のために使っている」と言えるんです。だからこそ、その部分を経費として計上できるんですね。
家事按分できる主な費用
在宅フリーランスが按分できる主な費用はこちらです。
- 家賃
- 電気代
- ガス代
- 水道代
- インターネット代
- スマホ代
- 固定資産税(持ち家の場合)
- 自動車関連費用
ただし、これらを100%経費にすることはできません。なぜなら、プライベートでも使っているからです。
なぜ按分が必要なの?
税務署は「事業に使った分だけを経費にしてください」というスタンスです。
例えば、家賃を100%経費にしてしまうと、「寝る時間も仕事してるんですか?」と突っ込まれてしまいます。だからこそ、プライベート使用分と事業使用分を明確に分ける必要があるんです。
家事按分の割合、どうやって決める?3つの計算方法
按分割合を決める方法は大きく分けて3つあります。
①面積で計算する方法(家賃・固定資産税)
家賃や固定資産税は、面積で計算するのが一般的です。
計算式:
仕事部屋の面積 ÷ 自宅全体の面積 = 按分割合
計算例:
自宅60㎡、仕事部屋10㎡の場合
計算式:10㎡ ÷ 60㎡ = 約16.7%
家賃が10万円とすると、経費計上できるのは16,700円になります。
大切なのは、「なぜその割合にしたか」を説明できること。間取り図にデスクの位置を書き込んで保存しておくと、根拠として使えますよ。
②時間で計算する方法(電気代・インターネット代)
電気代やインターネット代は、時間で計算するのが分かりやすいです。
計算式:
1日の仕事時間 × 日数 ÷ 168時間(1週間の総時間:24時間 × 7日) = 按分割合
計算例:
週に5日、1日7時間作業する場合
7時間 × 5日 = 35時間
35時間 ÷ 168時間 = 約20.8%
1ヶ月の電気代が1万円だった場合、経費計上できるのは2,080円になります。
私の場合、子どもが保育園に行っている平日9時〜16時の約7時間を仕事時間としています。約20.8%ですが、キリよく20%で計上しています。
③使用頻度で計算する方法(ガソリン代)
車を使っている場合、ガソリン代も按分できます。走行距離から仕事とプライベートの割合を計算します。
計算例:
月の走行距離200kmのうち、仕事での移動が50kmの場合
50km ÷ 200km = 25%
ガソリン代が3,000円だった場合、経費計上できるのは750円になります。
仕事で車移動が多い方は、走行記録をつける習慣をつけておくと、確定申告時に慌てずに済みますよ。
按分割合に「正解」はない
ここまで読んで、「結局、何%が正解なの?」と思った方もいるかもしれません。
実は、按分割合に絶対的な「正解」はありません。大切なのは、合理的な根拠があって、それを説明できることなんです。
按分割合が高すぎるとどうなる?
按分割合が高すぎると、税務署から「本当にそんなに仕事で使っていますか?」と指摘される可能性があります。
特に、50%を超える場合は注意が必要。根拠をしっかり説明できないと、否認されてしまうこともあります。
迷ったときは、控えめに設定しておく方が安心ですよ。
按分割合を決めるときの5つのポイント
按分割合を決めるときに、押さえておきたいポイントを5つご紹介します。
ポイント①合理的な根拠を用意する
「なんとなく50%」はNG。面積・時間・使用頻度など、客観的な数字を使って計算しましょう。
間取り図、勤務時間の記録、通話履歴など、根拠となる資料を残しておくと安心です。
ポイント②一度決めたら継続する
按分割合は、毎月コロコロ変えるのは不自然です。基本的には一度決めたら継続しましょう。
ただし、引っ越しや働き方が大きく変わった場合は、見直してOKです。
ポイント③説明できる割合にする
税務署に聞かれたとき、自信を持って答えられる割合にしましょう。
「どうしてこの割合なんですか?」と聞かれたときに、「面積で計算したらこうなりました」と答えられることが大切です。
ポイント④証拠を残しておく
按分の根拠となる資料は、確定申告の際に提出する必要はありませんが、税務調査に備えて保管しておきましょう。
間取り図にデスクの位置を書き込んだもの、勤務時間の記録、通話履歴のスクリーンショットなどがあると安心です。
ポイント⑤迷ったら控えめに
グレーゾーンの場合は、保守的に設定しておく方が無難です。
無理に高い割合にする必要はありません。説明できる範囲で、適切な割合を選びましょう。
まとめ:家事按分は合理的な根拠があればOK
家事按分の割合に「正解」はありません。大切なのは、合理的な根拠があって、それを説明できることです。
面積・時間・使用頻度で計算して、一度決めたら継続し、証拠は残しておきましょう。
やよいの青色申告オンラインを使えば、按分計算も自動で楽ちん。確定申告の準備も、これがあればスムーズに進められます。
迷ったときは、税理士さんに相談するのもおすすめです。無料相談を活用して、安心して確定申告を迎えましょう。


